住宅ローン減税の確定申告は4月17日以降も受付(2020年)
住宅ローン減税とは、償還期間10年以上の住宅ローンを組んで、自ら所有かつ居住するためのマイホームを新築あるいは取得し、もしくは一定条件のリフォームをした場合、ご自身が当該年に徴収された所得税額を上限に、その徴収分が還付申告によって控除される制度(税額控除)です。
本来、住宅ローン減税は高額であるマイホームの取得を後押しすべく、消費者を支援するための制度なのですが、他方、景気浮揚策としも活用されます。住宅産業はすそ野が広く、その盛衰(浮き沈み)は景気に大きく影響します。そのため、景気が下振れそうな時、テコ入れ策として住宅ローン減税は利用されます。つまり、住宅ローン減税には景気刺激策としての側面(政策期待)があり、事実、これまで国内経済の浮沈に応じて累次の改正が行われてきました。
たとえば消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月、新築住宅にかかる最大控除額が200万円から400万円に倍増されました。さらに10%に引き上げられた19年10月にも制度の拡充が図られています。これまで10年間だった住宅ローン減税の適用期間が3年間延長され、その分の還付額が上乗せされました。こうして消費増税に伴う痛税感を緩和し、住宅市場に混乱を与えないようにするのが狙いです。住宅投資は内需の柱であり、増税によって景気を腰折れさせないよう、その下支え効果が期待されています。
ところが、すべて計画通りに進むと思われていた矢先、想定外の事態に見舞われました。新型コロナウイルスの感染拡大により軌道修正を余儀なくされたのです。これにより、当初、3月16日(2020年)に受付を終了するはずだった住宅ローン減税の確定申告期間が延長されました。「期限を区切らず柔軟に受け付ける」(下記参照)との方針が打ち出されました。まだ申告手続きを済ませていない人は、慌てる必要はありません。時間的な余裕ができた段階で税務署へ足を運べば間に合います。
【確定申告期限を柔軟に取り扱います】
昨今の新型コロナウイルスによる各地での感染の拡大状況を鑑み、さらに確定申告会場の混雑緩和を徹底する観点から、感染拡大により外出を控えるなど期限内(2020年4月16日まで)に申告することが困難な人については、期限を区切らず4月17日以降であっても柔軟に確定申告書を受け付けることといたしました。申告書の作成または来署が可能になった時点で税務署へ申し出ていただければ、申告期限延長の取り扱いをさせていただきます。
【関連サイト】
- 確定申告期限の柔軟な取り扱いについて (国税庁)
住宅ローン減税は自ら確定申告し、自分で請求しなければ還付されない決まりです。税務署からお知らせが来ることはありません。給与所得者の場合、2年目以降は年末調整により会社が還付手続きを代行してくれますが、初回だけは本人が還付申告しなければなりません。もちろん個人事業主は、毎年、確定申告が必要です。一定期間請求しないと、もらい損ねてしまうのです。それだけに「こんなはずでは…」とならないよう、以下の2点を確認してください。
- そもそも自分は住宅ローン減税の適用条件を満たしているのか?
- 満たしている場合、確定申告にはどのような書類が必要になるのか?
どちらも本サイトで詳述していますので、確定申告を予定している人は必ずご一読ください。もし、不明点や疑問点があれば、ご遠慮なくお問い合わせください。